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 ▼ビッグアイの芝生についてのお勉強  かぼすシュ−ト 03/9/11(木) 6:55
   ┣Re:ビッグアイの芝生についてのお勉強  ザスパ別府 03/9/11(木) 11:09
   ┣Re:ビッグアイの芝生についてのお勉強  かぼすシュ−ト 03/9/12(金) 17:29
   ┃  ┗Re:ビッグアイの芝生についてのお勉強  名無しが失礼します 03/9/13(土) 17:36
   ┃     ┗Re:ビッグアイの芝生についてのお勉強  かぼすシュ−ト 03/9/16(火) 5:41
   ┃        ┗Re:ビッグアイの芝生についてのお勉強  南高II 03/9/17(水) 23:59
   ┣他山の石  S2 03/9/14(日) 21:35
   ┗Re:ビッグアイの芝生についてのお勉強  KO 03/9/16(火) 9:59
      ┗Re:ビッグアイの芝生についてのお勉強  かぼすシュ−ト 03/9/16(火) 13:02

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 ■題名 : ビッグアイの芝生についてのお勉強
 ■名前 : かぼすシュ−ト
 ■日付 : 03/9/11(木) 6:55
 -------------------------------------------------------------------------
   7月以降の試合でスライディングをしたりすると芝生がめくれる場面が多くなりました。
1年中、緑の芝生をお客さんに観てもらうにはどうすればいいのか?

そう、それまでの日本は日本芝(自宅に植えているあの芝生)で冬になれば枯れるあの芝生でした。「国立競技場」も「春の甲子園」も芝生は全て冬季は枯れていました。
今から約20年前、国立競技場の鈴木さんはアメリカへ飛びました。

その結果は、西日本での気候に合った冬芝、夏芝の二毛作でした。
4〜6月頃、元気のなくなってきた冬芝を機械で痛めつけて、そして夏芝の種を
巻きます。9月〜11月頃、今度が夏芝を痛めつけて冬芝の種をまきます。
芽は1週間で出てきて2週間もすれば芝刈りができるように早く伸びます。
この切り替えの時期、気候についてグランドキ−パさんは最大限の注意を払うそうです。

そしてこの芝(ティフトンと呼びます)に必要な3大栄養素が太陽・雨・風なのです。
ビッグアイは雨は屋根を開ければOK、太陽も日照時間の少ない部分はあるがまあOK、
問題は「風」なのです。ピッチは地下2階にあるために風はスタンドの上を抜けていきます。ピッチレベルのゲ−トを開けても北側からの風はあるのですが、南側が山のために風が抜けて流れないのです。
ビッグアイの蒸し暑さは皆さんもご存知ですね。しかしピッチレベルはもっと蒸し暑いのです。走っている選手はスタンドで見ている我々の想像を絶するほど不快指数の高い場所で戦っています。J1になって湿度計で湿度が量れないほど蒸し暑かった試合もあったそうです。当然、熱中症などで救急車でお世話になった方々もいると聞いています。

そういう蒸し暑さの中でティフトン芝の育成にグランドキ−パの方々は苦労しているそうです。水をまく、でも風が無い、地表温度が高くて蒸れた状態での夜となる。特に今年は不順な夏で西日本のスタジアムの芝は不良が多いそうです。

続きは明日。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:ビッグアイの芝生についてのお勉強  ■名前 : ザスパ別府  ■日付 : 03/9/11(木) 11:09  -------------------------------------------------------------------------
   ▼かぼすシュ−トさん:
>7月以降の試合でスライディングをしたりすると芝生がめくれる場面が多くなりました。
>1年中、緑の芝生をお客さんに観てもらうにはどうすればいいのか?
>
>そう、それまでの日本は日本芝(自宅に植えているあの芝生)で冬になれば枯れるあの芝生でした。「国立競技場」も「春の甲子園」も芝生は全て冬季は枯れていました。
>今から約20年前、国立競技場の鈴木さんはアメリカへ飛びました。
>
>その結果は、西日本での気候に合った冬芝、夏芝の二毛作でした。
>4〜6月頃、元気のなくなってきた冬芝を機械で痛めつけて、そして夏芝の種を
>巻きます。9月〜11月頃、今度が夏芝を痛めつけて冬芝の種をまきます。
>芽は1週間で出てきて2週間もすれば芝刈りができるように早く伸びます。
>この切り替えの時期、気候についてグランドキ−パさんは最大限の注意を払うそうです。
>
>そしてこの芝(ティフトンと呼びます)に必要な3大栄養素が太陽・雨・風なのです。
>ビッグアイは雨は屋根を開ければOK、太陽も日照時間の少ない部分はあるがまあOK、
>問題は「風」なのです。ピッチは地下2階にあるために風はスタンドの上を抜けていきます。ピッチレベルのゲ−トを開けても北側からの風はあるのですが、南側が山のために風が抜けて流れないのです。
>ビッグアイの蒸し暑さは皆さんもご存知ですね。しかしピッチレベルはもっと蒸し暑いのです。走っている選手はスタンドで見ている我々の想像を絶するほど不快指数の高い場所で戦っています。J1になって湿度計で湿度が量れないほど蒸し暑かった試合もあったそうです。当然、熱中症などで救急車でお世話になった方々もいると聞いています。
>
>そういう蒸し暑さの中でティフトン芝の育成にグランドキ−パの方々は苦労しているそうです。水をまく、でも風が無い、地表温度が高くて蒸れた状態での夜となる。特に今年は不順な夏で西日本のスタジアムの芝は不良が多いそうです。
>
>続きは明日。

ほんと難しい仕事だと思います。
芝についての逸話。
あるアメリカ人庭師がイギリスに芝の勉強に行き「素晴らしい芝ですね、どのように管理を?」と問い掛けたところイギリス人庭師は「いや簡単なことしかしてませんよ。何百年も前から毎日ね」・・・伝統とプライドを感じさせるひと言だなあ。風土の違いもあるけど、まさに『百年構想』ですね。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:ビッグアイの芝生についてのお勉強  ■名前 : かぼすシュ−ト  ■日付 : 03/9/12(金) 17:29  -------------------------------------------------------------------------
   アメリカの大リ−グの球場の美しさを象徴しているスタジアムの芝生、
いやいや、見ているだけで心がウキウキしてくる。USAはグランドキ−パ
の社会的な位置づけがとても高く、実力のあるグランドキ−パには
多くのスタジアム、ゴルフ場からオファ−が来るそうです。従って
グランドキ−パの方々も「さあ見てくれ、これが俺が管理している芝生だ、
お客さん、選手の皆さん、堪能してください」という思いで芝生を育成
しているそうです。

様々な模様が入った芝生も見ますよね。あれはどうなっているのかというと
芝生の傾斜を変える機械があって、それで芝生の傾斜を変えることにより
光の屈折の関係で模様がかかって見えているんです。

さてビッグアイの芝生、前にも書きましたが風がないのです。北側から来た風が
南側に抜けていかずに、上の屋根の空間に逃げてしまう。従って芝生の上面
には風がなく蒸れてしまうようです。
もし、ビッグアイのピッチレベルが平面の1階だったら、おそらくこういう
問題はなかったでしょう。企画した方々にとっては芝生なんて張れば終わり
の感覚だったのでしょう。もっと相談して欲しかったですね。
欧州の数々のサッカ−場を見てきた方々がこのビッグアイの芝管理の難しさ
を感じているようです。でも手立てはない訳じゃない、Jビレッジや各スタジアムの芝生
管理者などと連絡を取り合いながら色々と試行錯誤しながらがら挑戦している
方々へエ−ルを送りたいと思います。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:ビッグアイの芝生についてのお勉強  ■名前 : 名無しが失礼します  ■日付 : 03/9/13(土) 17:36  -------------------------------------------------------------------------
   はじめて書きこみさせていただく者です。よろしくお願い致します。
(「名無しが失礼します」というハンドルネームは変だと自覚してますが、なんとなく定着してしまったので…)


▼かぼすシュ−トさん:
>企画した方々にとっては芝生なんて張れば終わり
>の感覚だったのでしょう。もっと相談して欲しかったですね。

http://cocoa.2ch.net/soccer/kako/989/989100634.html というページで、
下記のような話をみつけました。
この話からすると、「芝の種類はエルトロでいいだろ」と思ったビッグアイ関係者側の
見込みと認識が甘かったのかもしれませんね。


-----------------ここから---------------
投稿日: 2001/05/07(月) 07:21
  ビッグアイの芝が・・・
  http://www.asahi.com/sports/update/0506/002.html
  >ビッグアイは98年に着工。開閉式ドームで日当たりや風通しに限界があるため、
  >芝は当初、耐久性があって管理しやすい芝種「エルトロ」の使用を予定。しかし昨年
  >5月、国際サッカー連盟(FIFA)がエルトロでは硬すぎると変更を要請、昨年8月から、
  >より軟らかい「ティフトン」に変更して芝張りを始めた。
 
  >JAWOC大分支部の競技運営担当者は「W杯では芝の影響で、3メートルのパスを
  >出してボール1個分ずれてもプレーにならない。大分は芝への理解が乏しく、最も大
  >事な芝生の質が建物に追いついてない」と言う。
-----------------ここまで---------------

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:ビッグアイの芝生についてのお勉強  ■名前 : かぼすシュ−ト  ■日付 : 03/9/16(火) 5:41  -------------------------------------------------------------------------
   芝生に関してはもっと知識を一般市民の方々へ提供する必要があると思います。
マスコミの方々もこれに関しては無関心が多い。

NHKの大リ−グ放映でもあれだけの時間放映しているのに芝に関して言って
いるのをあまり聞いたことがない。フアフアしたクッションのような芝生、
イチロ−が松井が思い切りスライディングしていく芝生、そして目を見張る
ような緑と模様、なぜこのようなことができるのか。日本と何が違うのか?
気候の問題?グランドキ−パの問題?芝とプレ−の関係など、もっともっと
視聴者に提供して欲しいですね。

さらに運営にボランティアが関与しているのか、警備にどの程度の人数をか
けいるのか、1試合あたりのゴミの排出量はどの程度なのか・・・こういっ
た情報もこれから視聴者にもっともっと提供して関心を持ってもらうべきだ
と思います。どうも日本のスポ−ツ報道は偏っている、プレ−とファンのみ
に焦点を当て過ぎているように思います。

ところでU−17の世界選手権では初めて人工芝がFIFAに公認されて
会場になっているんですね。今の人工芝技術はとても進んでいるようでこ
ちらの情報も眼が離せないですね。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:ビッグアイの芝生についてのお勉強  ■名前 : 南高II  ■日付 : 03/9/17(水) 23:59  -------------------------------------------------------------------------
   いや〜勉強になりますね。
芝生のことって、はっきり言って
トリニータと接するまで、全く知らなかった・・・・。
というか、当たり前に生えると思ってました。
(これが日本のほとんどの人の感想なんでしょうけどね)
やっぱ日本のメジャースポーツである野球が、
ほとんどの球場で人工芝を使っている為、
やっぱテレビとかで見ると人工芝と接する機会のほうが多いですもんね。
あれがいけないんじゃないか??

しかし、ビッグアイの芝。
この時期は苦しいですね。
最近は涼しくなったから、幾分はいいのかもしれないけど。
土曜はきれいになってるかなぁ〜。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : 他山の石  ■名前 : S2  ■日付 : 03/9/14(日) 21:35  -------------------------------------------------------------------------
   多少なりとも興味を持っていただければ。
2chのAAスレに書かれた「よいこのための小瀬芝講座」。
http://www7.ocn.ne.jp/~sakanoue/art/van_kose.html

もう一つ他のスタジアムの話題。
J1ホームの中でも群を抜いて評判の悪い神戸のウィングスタジアムを
ガンバ大阪が来年にも準フランチャイズに指定して、
特に観客数2万人以上を見込める浦和戦など3試合に使用する計画らしい。
決してトリニータがウィングでたくさん試合をする訳ではないけれど、
選手が怪我しないようにしっかり整備し利用計画をきちんと立ててくれと祈るばかり。
ビッグアイも荒れてきたとは言うものの
決して良好とは言えない芝の生育環境を考えれば
グランドキーパーのみなさんの努力には頭の下がる思いがします。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:ビッグアイの芝生についてのお勉強  ■名前 : KO  ■日付 : 03/9/16(火) 9:59  -------------------------------------------------------------------------
   ▼かぼすシュ−トさん:

確かにアメリカの球場等を見ますと芝生がきれいですね。
それに対して日本の球場は芝生を見せる、と言う点が少し不足しているようです。
横浜スタジアムが人工芝で縦のストライプを入れてますが、人工芝じゃなんか味気ない。
まだまだ日本では芝生の文化が根付き始めたばかり、芝生を見せる文化はこれからなのかも知れません。

かぼすシュ−トさんの説明に関して少し補足を・・・

>4〜6月頃、元気のなくなってきた冬芝を機械で痛めつけて、そして夏芝の種を
>巻きます。9月〜11月頃、今度が夏芝を痛めつけて冬芝の種をまきます。

夏芝は、スタジアムで使用するティフトン芝にしても、一般家庭の高麗芝にしても、匍匐茎が地中で伸びてそこから芽を出します。
秋も深まってくると地表の葉は枯れてしまいますが、この匍匐茎は冬眠している状態なんですね。
そこで、夏芝の勢いが弱まる頃(大体9月下旬から10月上旬頃かな?)に夏芝を低く刈って痛めつけてから冬芝の種を蒔くわけです。

冬芝は夏芝と違って匍匐茎でなく、ちょうど麦のように株で生育していきます。しかも大体夏場は枯れてしまうんですね。
だから、毎年種を蒔き直す必要があるんです。

そして春になって夏芝が冬眠から覚めて、匍匐茎から芽吹き出して勢いを増す時期になると、それまで生えていた冬芝が邪魔になります。
だからこの時期に冬芝を痛めつけて夏芝の生育を促すわけですね。夏芝の種を蒔くわけではないのです。

これが二毛作(オーバーシーディング)の概略ですが、これがなかなか難しいんです。

実は我が家でもオーバーシーディングをやって常緑の庭を作っているのですが、やり方が悪いのか、なかなか上手くいかない。
特に冬芝の生育が場所によってまちまちで、まだら模様の庭になってしまいます。

夏芝への切り替え時期になると、冬芝の元気のなかった場所は夏芝が生き生きと生い茂り、逆に冬芝の元気だった場所は夏芝の生育が今ひとつ・・・。
夏芝にとって冬芝は雑草のようなものですから、切り替えのタイミングや方法がまずいと(我が家のように)夏芝の生育の勢いをそいでしまいます。

それと、芝生の模様なんですが、あれは芝刈りの方向にそって芝が倒れて模様ができるのです。
スタジアムで使用する大型の芝刈り機だと、芝刈り機自体の重みも加わってより一層芝の倒れ方が大きくなるんでしょうね。

我が家では手押し式の芝刈り機ですが、それでも芝刈りの方向を変えることでストライプの模様ができます。
きれいですよ。
でも、今年はモグラがやってきて折角手塩にかけてつくった庭がボコボコ・・・。
泣くに泣けません・・・。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:ビッグアイの芝生についてのお勉強  ■名前 : かぼすシュ−ト  ■日付 : 03/9/16(火) 13:02  -------------------------------------------------------------------------
   補足、ありがとうございます。
私は耳でかじった話しばかりで・・・・(笑)

そうか〜春に夏芝は植えていないんだ〜
単に冬芝を痛めつけているだけなんですね。

「Ever Green」って大変ですね。

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