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tetoさん、はじめまして。
まあしいと申します。
浦和サポです。
今はなきISIZEなどでtetoさんのレポートをよく読んで
おりました。
tetoさんのパトリオットとしての視点にも共感しております。
さて、現行憲法第1章の話ですね。
わたしが思うに、これは明治憲法と比較して見ていくと
よりわかりやすくなると考えます。
巷間、どの憲法のテキストを見ても、
「明治憲法の強大な天皇大権から民主的な国民主権へ変わり、
『神聖不可侵』とされた天皇の地位も『国民の総意に基く』ものとされ、
権限はほとんどなくなった」
というような説明があるんですが、
わたしは非常に疑問を感じておりました。
「強大な天皇大権」なんてもん、ほんとにあったんかいな、と。
字面だけ眺めてみても、とてもじゃないけど一人の君主に
これだけの権限を本当に負わせるわけなかろうに、と直感で
感じていました。
一言で言えば、明治憲法下の天皇と、現行憲法下の天皇は、
元首であることと統帥権・宣戦布告がなくなっただけで、
本質的に変わらないものだと思います。
(さらに言えば、律令の昔から、ずっと変わってないとも
言いますが)
ひとつ例をあげるならば、
現行憲法7条1号に、内閣の助言と承認を要する天皇の国事行為として
「憲法改正、法律、政令及び条約を公布すること」とあります。
対して
明治憲法5条「天皇は帝国議会の協賛を以て立法権を行ふ」
同6条「天皇は法律を裁可しその公布及び執行を命ず」
(原文カナ・しかし便宜上以下ひらがなまじりで表記します)。
これの説明で、「明治憲法5条では天皇に立法権があり、議会は
協賛するに過ぎないものであったが、現憲法では立法権は国会に
あり、天皇は法律を公布するだけである」というようなのがあります。
でも、ちょっと待ってほしい。
明治憲法37条ではこうあります。
「凡て法律は帝国議会の協賛を経るを要す」(原文カナ)。
さらに55条2項。
「凡て法律勅令其の他の国務に関する詔勅は国務大臣の副署を要す」。
(勅令が法律の次にあることにも注目)
すべて法律は、議会の協賛(法案可決)を必要とする。
さらに、法律には、内閣各大臣の署名(承認)が必要。
こうなると、5条の「協賛を以て」の意味が大きく変わっては来ませんか。
「協賛するにすぎない」だなんて消極的なものではない。
議会を通過した法律であり、なおかつ内閣の各大臣の署名がなければ、
天皇は公布しえない。
これって、現行憲法とどこが違うのでしょう。
ただ、こういう反論があるとは思います。
「6条には『裁可し、その公布及び執行を命ず』とあるじゃないか、
裁可ということは拒否権もあるのだろう」と。
しかし、これは、歴史を見ればわかることです。
明治天皇、大正天皇、昭和天皇、明治憲法下の3代の天皇は、1度でも
「議会の協賛を経」てあがってきた法律を却下したことが
あったでしょうか。
どうもこういう歴史的観点を抜きにした、字面だけの
平板な憲法理解がまかり通ってる気がして仕方ありません。
長々と失礼しました。
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