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■大東亜戦争という呼称について【要約】
開戦直後の1941年12月10日、当時の日本の実質的最高意思決定機関である大本営政府連絡会議において「今次の対米英戦争及び今後の情勢の推移に伴い生起すべき戦争は、支那事変を含めて大東亜戦争と呼称する」ことを決定。
大東亜戦争とは、大東亜新秩序を構築するための戦争だから「大東亜戦争」と呼称するわけではなく、単純に大東亜(亜細亜の東側の大部分)の地域で行われる戦争という意味合いに過ぎない。
大東亜の地域とは、おおむね南はビルマ以東、北はバイカル湖以東の東亜細亜の大陸、ならびにおおむね東経180度以西、すなわちマーシャル諸島以西の西太平洋の海域を指す。
インド、豪州は含まれない。
戦後、連合軍総司令官マッカーサー元帥による通達が出される。
「公文書に大東亜戦争、八紘一宇なる用語ないしその他の用語にして、日本語としてその意味の連想が、国家神道、軍国主義、過激なる国家主義等と切り離し得ざるものは禁ずる」
それいらい、日本の政府、民間の言論報道人は、公文書私文書を問わず「大東亜戦争」という呼び名を使用しなくなり、さらに言うとこの呼称を嫌悪するものまで出る始末。
占領終結にともないマッカーサーの通達が効力を失った後も日本はマッカーサーの言論統制にしたがっているわけである。
しかし「大東亜戦争」という呼び名は、日本においては戦争の間施行された法令条規の随処に使用されており、それ自体蔽うべからざる歴史的事実である。
特に直接戦争遂行にあたっていたものにとっては格別馴染み深いものである。
ゆえにこの書籍においても「大東亜戦争」という呼び名を使うものである。
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アメリカで発生した9.11テロ事件以来、アメリカは対アフガン、対イラク戦争に反する言論を統制してきた。
そうした状況に対し、日本の言論界、報道人は懸念を表明し続けた。
「言論の自由がアメリカの国家意思の元、制限されている」と。
しかし、実は日本自身が戦後半世紀以上たった今ですら
アメリカが押し付けた「大東亜戦争という呼称の使用禁止」という言論の制限を律儀に守り抜き
アメリカ第一の家来としての地位を「自ら表明し続けている」。
日本がアメリカから独立できないのは、軍隊を持たないから
とも言い切れない状況がいまだに続いている。
独立とはなんだろうか。
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気が向いたら、この本の要約を書き込んでいきます。
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